伊達政宗公の逸品兜飾り
加藤鞆美作 伊達政宗 三分の一兜
数ある武将兜の中で、毎年最も高い人気を誇っている伊達政宗の兜。
それだけに、 どこの人形店も伊達政宗公の兜を多数取り揃えています。
今や伊達政宗の兜と一口に言っても種類はとても豊富で、多くの甲冑師(ブランド)が手掛けた様々なタイプの伊達兜が販売されてますが、造形の美しさに定評があり、まさに逸品と謳われているのが加藤鞆美の作品です。
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⇒ 伊達政宗公 兜平飾り 加藤鞆美作 三分の一
伊達政宗所用の甲冑と見比べると、加藤鞆美の作品がいかに精巧に模写しているかがわかると思います。
ちなみに、こちらが仙台市博物館に所蔵されている伊達政宗の甲冑(実物)です。
⇒ 黒漆五枚胴具足
ただ、加藤鞆美の伊達兜は単なる模写の域に留まっていません。
ぱっと見は本物をそのままスケールダウンしたように感じられますが、よく見ると兜鉢に対する吹き返しや眉庇(まびさし)の大きさのバランスが微妙に異なります。
また、錣(しころ)の広がり具合、三日月型前立ての弧の描き具合など、随所に加藤鞆美のこだわりが見られます。
敢えて完全忠実な再現をせず、それでいて実物の持つ質感や趣を失わない見事な意匠。
これこそ、加藤鞆美が名匠と呼ばれる所以だと思います。
高レベルの「素材」「デザイン」「造り」がバランス良く融合した加藤鞆美の伊達政宗公兜飾りは、五月人形を見る目が肥えている節句人形店の販売員さんたちからも、非常に高い評価を得ています。
平安武久作 伊達政宗 本金箔押一枚 朱赤色兜8号
続いて、繊細な美しさとシンプルな潔さが漂う加藤鞆美の伊達兜とは対極にある作品をご紹介します。
こちらは京甲冑の第一人者である、平安武久作の兜飾りです。
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⇒ 伊達政宗 兜平飾り 平安武久作 本金箔押一枚 朱赤色兜 8号
伊達政宗の兜といえば、一般的に黒をベースとした重厚なイメージの作品が多いと思います。
一方、平安武久による伊達政宗の兜は京甲冑師らしい雅やかな雰囲気に仕上げてあります。
伊達政宗公の兜は黒塗りの鉄板をつなぎ合わせた筋兜なので、デザインはいたってシンプル。
そのシンプルさが伊達政宗の甲冑の魅力なのですが、平安武久の作品は、贅沢な素材と手の込んだ装飾によって、敢えて初節句のお祝いにふさわしい華やかな雰囲気を 演出しています。
例えば本金鍍金を施した金具や白檀塗りの小札(兜の裏側)など、高級感あふれる仕立てが目を惹きます。
また、朱赤糸の正絹で丁寧に威した 錣(しころ)、総金物仕立ての櫃など、京の匠の技と格調高さが感じられる豪華な伊達政宗の兜飾りです。